JAあいち豊田について

組合長コラム

代表理事組合長 石川 尚人

令和3年5月号「鏡のように季節を写す水田 多面的機能で生活に貢献」

 いよいよ、この地域でも田植えが始まりました。特にこの時期は、水を貯えた水田が鏡のように周りの風景を写し、素晴らしい景観を私たち提供してくれます。JAでは農家の方から注文を受け、水稲苗を育て出荷しています。今年は、約900ヘクタール分の苗にあたる育苗箱15万箱を出荷しました。

 皆さんは、「農業・農村の持つ多面的機能」という言葉を聞いたことはありますか。農業は、食料を生産するという機能のほかに、様々な形で私たちの生活に貢献しています。
 代表的なものとして挙げられるのが、洪水を防ぐ働きです。田・畑の土壌には、雨水を一時的にためる働きがあります。日本全国の水田に貯留できる水の量は、約50億㎥と言われています。土砂崩れや土の流出を防ぎ清らかな地下水を作るなど、水をためることで様々な効果を生み出しています。また、生き物のすみかになる働きもあります。水田には、たい肥を分解する微生物、それを食べる魚や水鳥もやってきます。昆虫やカエルなども集まり、まるで多様な生き物を育むゆりかごです。ほかにも、夏の暑さを和らげる機能や景観の形成、農業に由来する伝統文化の継承などの多面的機能があり、総合的な価値が見直されています。このような農業の価値を多くの人に伝え、共感してもらい、ともに地域農業を守っていく仲間を増やしていくことも大切です。

 

 日本は、国土の7割が山や丘陵地で農地として使える土地が少ない上に世界的に見ても雨が多い気候。このような条件で発達してきたのが、お米を中心とした日本の農業です。お米は、10㌃あたりの収穫量が小麦の約1.5倍という指標もあり、農地の少ない日本に最適な農産物です。日本の食卓を支えるお米、そしてお米を育てる田園風景は、地域の財産。JAとして、これからも守っていきます。