組合長コラム

代表理事組合長 石川 尚人
令和4年4月号「国産国消と地産地消」
現在、豊田市・みよし市の各地では小麦が順調に育っています。今年産は、両市合わせて約940ヘクタールで作付けし、約8割がうどん・きしめんに適した「きぬあかり」という品種で、のこりはパンや中華麺に適した「ゆめあかり」という品種です。この地域では、農事組合法人を中心に小麦の栽培が盛んで、毎年5月下旬には収穫作業が始まります。
この地域だけでもこれだけ栽培している小麦ですが、国産の割合はわずか1割程度です。ほとんどを輸入に頼る小麦は近年、輸入価格の高騰が問題になっています。昨年秋からはその傾向が顕著にあらわれ、消費者が購入する小麦製品にも影響が出始めました。米国、カナダ産小麦の不作の影響に加え、ロシアの輸出規制、ウクライナ情勢等が小麦の国際価格の上昇の主な要因です。これは、食料を輸入に頼っていると各家庭の食卓にまで影響がおよぶという現実を目の当たりにした出来事です。本当にこのままでよいのでしょうか。
今、JAグループでは「国産国消」いうメッセージを強く発信しています。すべての食料を国内で生産することは現実的ではありませんが、国民が必要とし消費する食料は、できるだけその国で生産するという考え方です。日本の食料自給率は37%で過去最低の水準になり、私たちの食を取り巻くリスクは年々高まっています。また、一度荒れてしまった農地からまた農作物を収穫するには、土づくりから始める必要があり短時間で食料を増産することは大変なことです。
当JAでは、国産国消とともに地元農産物を地元で消費する「地産地消」を推進しています。こうした実態や課題を、農業に関わる人だけでなく、消費者の皆さんにもご理解いただき、食料を生産する農業・農村を支えてほしいと願っています。まずは直売所などで地元農産物を手に取り、そのおいしさを味わっていただきたいと思います。
過去のコラム
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2022.03.31組合長コラム令和4年3月号「小菊農家の梶孝光さんが緑白綬有功章を受章」
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2022.02.24組合長コラム令和4年2月号「土橋支店と産直プラザがリニューアル」
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2022.01.19組合長コラム令和4年1月号「伝統行事を守り、想いを伝えていく」
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2021.12.27組合長コラム令和3年12月号「今年を振り返り、さらなる農業振興を」
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2021.11.19組合長コラム令和3年11月号「秋深まり、自然薯「夢とろろ」と梨「愛宕」が最盛期」
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2021.10.25組合長コラム令和3年10月号「農業振興の要望書 豊田市とみよし市へ提出」
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2021.09.28組合長コラム令和3年9月号「地域農業を守る 事業再編実施計画」
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2021.08.17組合長コラム令和3年8月号「まもなく新米シーズン 稲刈りが始まります」
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2021.07.21組合長コラム令和3年7月号「総代会のご報告と本格的な果物の出荷スタート」
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2021.05.18組合長コラム令和3年5月号「鏡のように季節を写す水田 多面的機能で生活に貢献」
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2021.04.07組合長コラム令和3年4月号 「春の訪れとともに、農業活発に」
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2021.03.16組合長コラム令和3年3月号 三河中山間「ミネアサヒ」が米食味ランキングで最高ランク「特A」
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2021.02.12組合長コラム令和3年2月号「新たに25人の農ライフがスタート」
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2021.01.06組合長コラム令和3年1月号「農家が支える日本の食文化 春の七草」
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2020.12.07組合長コラム令和2年12月号 「就任から半年、季節は秋から冬へ」
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2020.11.10組合長コラム令和2年11月号「農家の技術と想いが詰まった梨「愛宕」に110万円の高値」
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2020.10.09組合長コラム令和2年10月号「実りの秋に、改めて決意する」
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2020.09.07組合長コラム令和2年9月号「高橋営農がオープン。高橋地区のJA施設整備が完了」
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2020.08.11組合長コラム令和2年8月号 「夏の日差しを受け、果物の出荷盛んに」