JAあいち豊田について

組合長コラム

代表理事組合長 柴田 文志

令和2年4月号 「向こう10年先の農業とJAの役割」

 日本の農業にとって大変重要な「食料、農業、農村基本計画」の基本的な考え方が発表されました。この基本計画は、向こう10年先の農業の方向をきめる「日本農業の基本法」ともいえる計画で、近く閣議決定される予定です。

 この中で、今までにない特徴的な考え方やポイントを4つお知らせします。

 

1.農業の成長産業化という政策を柱にしていましたが、成長だけではなく多面的機能の発揮という「地域政策」を打ち出して、産業と地域の両輪ですすめる方向が出されました。

 農業は、食料を生産するだけではなく、その周りには暮らしがあり、家族があり、村があり、風景があります。やっとそのことに気がついてくれたのだとうれしく感じています。

 

2.農業の担い手に対しても、今までは大規模、集約、法人化をメインにすすめてきましたが、ここへきて「中小の家族経営」という存在も地域の担い手として、新しく登場してきました。

この家族経営は、12月の広報誌グリーンボイスで特集をしましたが、組合員の方からも好意的な反応がありました。この家族農業も組合でしっかりと育てていけるように取り組んでまいります。

 

3.私にとって疑問符がついたのは、食料自給率の新しい目標の設定です。

いままでの食料自給率は、カロリーベースだと過去最低の37%です。しかし、これは畜産物のエサ(飼料)の自給率がたった25%しかなく、圧倒的に輸入に頼っている実態があります。

 このエサの自給率を反映するかしないかで以下のようになります。

例えば・・・

 牛肉は、今11%ですが、これを反映させないと43%

 豚肉は、今6%ですが、これを反映させないと48%

 卵は、ほとんどのエサを輸入しているので、12%が96%の自給率になります。

 全品目を平均すると、37%が46%になって、自給率目標45%をこえることになります。

 政府は、国内の畜産農家の生産努力を評価し、消費者の国産農産物に対する実感が適切に反映できる、と言っています。しかし、どう表現しようと、37%という実態は何もかわらず、昨年からのTPPや日欧EPA、日米貿易協定が。4月にはさらに、もう一段の関税引き下げが待っています。むしろ、自給率低下のスパイラルの中にあるというのが現状だと思います。食料(飼料)が外国から入ってくるのは当たり前ではありません。自分たちの食料を心配するのは、自分たち(国民)だと、これからも訴え続けてまいります。

 

4.最後のポイントは、この基本計画のなかに、食料、農業、農村政策をすすめるうえで、JAの役割にも触れられています。

 「農業者の所得向上にむけて、自己改革をうながしつつ、農村地域の生活インフラをささえる役割をJAがはたす」とJAの生活インフラ機能に言及しています。

 

 家族農業を含め、JAが地域に根ざしていることへの理解が、すこしは深まってきたのだと感じています。

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