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赤とんぼの舞う環境保全型農業をめざして/総会を開催/豊田・みよし環境保全型農業推進協議会

2015.04.08

0408akatombo「田んぼに赤とんぼを復活させたい」と発足した豊田・みよし環境保全型農業推進協議会が結成から1年を迎え4月8日、JAあいち豊田本店で総会を開いた。同協議会は同JAと豊田市、みよし市、県がメンバー。生態環境に配慮した方法で米を栽培し、試験ほ場では専門家を交えて生物生態観察を続けている。

同JA管内は森林が占める面積が約66%。高齢化と過疎化が進んでおり条件不利地における農業の維持も難しくなってきている。同JAでは市民が農業を応援する仕組みづくりを模索しており、農薬を減らした米作りをすることで田んぼの生態系を復活させ、市民に赤とんぼが舞う景観や環境を提供する。市民は安全で安心な付加価値のついた赤とんぼ米(仮称)を適正な価格で買い取ることで地域農業を支援していく筋書きだ。

昨年度は中山間地から平坦地域まで12か所の試験ほ場計3.7ヘクタールで、赤とんぼが激減した原因と疑われる生態系に悪影響を及ぼす成分を含む農薬を使用せずに米を栽培。生態観察会では営農センターの職員らが専門家から昆虫などの生態を学んできた。豊田市下山地区のほ場では、現行法で栽培された観察ほ場で皆無だった赤とんぼの幼虫であるアキアカネの他、コシマゲンゴロウ、ホウネンエビなど、昆虫類、甲殻類、両生類、クモ類など広域で豊富な生態系の復活が確認された。同JA営農指導課笠井課長は「環境にやさしい農薬を使うことで病害虫の発生が心配されたが、農薬の効果が著しく劣ることはなかった」と成果を語る。

総会では昨年の調査結果を踏まえ、さらに今年度も生物生態観察を続け、試験的に赤とんぼ米の販売を行っていくことを決めた。栽培ごよみを作成し、生産者も募集する。JAと行政で進めてきた取り組みを農家を取り込んだ本格的な環境保全型農業として乗り出していく。「将来的には管内全域を挙げた取り組みにしていきたい」と同協議会会長の柴田文志同JA組合長は語る。

課題もある。環境保全型の農薬は価格が高い。また、赤とんぼが産卵したり羽化したりするための水のかけひきなど生産者の技術も必要だ。生産者がそれを理解し、そのコストを最終的に市民が買い支えることができるか。同協議会では中長期的なスケジュールを組み立ててこれらの課題に取り組んでいく。