ニューストピックス

「赤とんぼ米」生産グループが設立/消費者加え承認委員会も

2016.03.02

0302akatomboJA・市・愛知県で組織する豊田・みよし環境保全型農業推進協議会が目指す「生き物を育む農業」に賛同した農家が3月2日、JAあいち豊田で「豊田・みよし赤とんぼ米栽培グループ設立総会」を開催した。同グループが平成28年度から栽培する「赤とんぼ米」は特別栽培米として厳しい条件を設定することとし同協議会ではこの日に併せ、品質の安全性と信頼性を検証する「環境保全型農業認証委員会」も設置した。

設立された同グループの会員は13農家で下山地区、稲武地区、旭地区など豊田市の中山間地域を中心に約3.5㌶のほ場に特別栽培農産物「赤とんぼ米」を栽培する。特別栽培米は農薬成分と化学肥料の窒素成分を地域慣行基準の5割以下にすることが基準。さらに「やご」の羽化を助長させるための水管理や刈取り後赤とんぼが産卵できる水たまりを確保するなど水生生物に配慮した基準を設けていることが特徴だ。耕作者は栽培ごよみを遵守し、栽培日誌や自己点検チェックシートの記帳と提出が義務付けられている。独自の基準を堅持することで一般米との差別化を図る。

基準に沿った適正な栽培が出来ているか客観的なチェック機能を果たす同認証委員会の10人の委員は、JAに利害関係のない委員を複数名置くことを規約に定め、行政の他、「多くの市民に取組を理解してもらいたい」(柴田文志協議会会長)との思いから消費者代表2名がメンバーになっている。同認証委員会は農水省のガイドラインに従い、栽培・精米の各責任者と確認者を置き基準に沿って栽培管理されているか調査、検査並びに指導を行う。年の初めに農家から作付計画と誓約書の提出を受け、認証委員会の赤とんぼ米栽培の承認後栽培に入る。栽培中のほ場調査と収穫後の残留農薬検査を経て消費者に届けられることとなる。出荷袋に貼付する赤とんぼ米認証シールには、ホームページアドレスを表示し節減対象農薬の使用状況が確認できる案内をする。同認証委員会により審査を受けることで栽培管理の透明性を高め販売に弾みをつけるのが狙いだ。

同協議会ではこの10年で1000分の1に激減したと言われる「赤とんぼの復活」を目指し2年前から環境に配慮した農業を推進しようと試験ほ場で箱施薬変更と生物観察の実証実験等を重ねてきた。27年度には環境に配慮した稲作ごよみを作成し、環境保全米の販売までこぎつけた。28年度は中山間地域の生産者組織が主体的に赤とんぼ米の栽培に取り組んでいく基盤を作る期間とし、徐々に面積を広げていきたい考えだ。

地域消費者に環境保全型農業が手間とコストをかけることをいかにして知ってもらうかという課題もある。境保全型農業を継続的に行っていくには、赤とんぼ舞う田園風景地域を地域住民に提供することの見返りにそれに応じた対価で赤とんぼ米を買い支えることが必要となる。今回同認証委員会を作ったことで地域住民に開かれた取り組みになるのか。豊かな生態系や美しい景観は輸入できないとの考えを、さらに消費者に訴えていくことが求められている。