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ICTを活用した捕獲おり「おりべえⅡ」で獣害を抑制/JAあいち豊田

2019.01.04

 JAあいち豊田は獣害防止のため、ICTを活用した捕獲おり「おりべえⅡ」を2017年8月下旬に導入して、捕獲実績を上げています。

 JA管内は6割が中山間地域で、豊田市内のイノシシと鹿による2016年の農業被害金額は約3280万円です。被害面積は約30ヘクタールで、獣害による農家の所得低下、耕作意欲低下が問題となっています。「成獣がなかなか捕獲できない」との組合員の声がJAにあり、豊田加茂農林水産事務所の獣害担当から提案された「おりべえⅡ」をJAが購入して設置しました。被害の多かった小原地区、足助地区に1基ずつ設置し、現在までにイノシシの成獣11頭と幼獣4頭、鹿の成獣1頭、幼獣1頭を捕獲しました。

 「おりべえⅡ」は、愛知県農業総合試験場と豊橋市の企業が共同開発しました。遠隔監視・操作が可能な捕獲おりです。獣害を防ぐため、JAが購入し、貸し出しています。従来のおりと比べ、開口部が広く、イノシシや鹿などの野生動物を群れごと捕獲できます。

 個体数を増やす成獣を捕獲しない限りは被害の抑止につながらず、従来の一般的なおりは警戒心の強い成獣を捕獲することが困難で、設置場所では年に1頭ほどしか捕獲できませんでした。「おりべえⅡ」導入後、警戒心の強い成獣も捕獲することができました。「おりべえⅡ」を管理する山内孝司さん(67)は「監視映像を見ることで、イノシシの習性がより理解でき、従来の捕獲おりにも応用している。資材をはじめ人的なサポートもあり、JAの取り組みはありがたい」と話します。今後も管理・運用の経験を積んで捕獲率を向上させ、獣害を抑制し、農家所得の向上を目指します

 

 

 

 

 

 

写真=「おりべえⅡ」を点検する山内さんとJA職員