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観察会でアキアカネのヤゴ/「赤とんぼ米」ほ場で成果/豊田・みよし環境保全型農業推進協議会

2019.07.11

 環境にやさしい農業で赤とんぼが舞う田んぼの復活に取り組んでいる豊田・みよし環境保全型農業推進協議会は6月29日、豊田市花沢町の特別栽培米「赤とんぼ米」のほ場で生き物観察会を開催し、アキアカネのヤゴ13匹を初めて確認しました。これまで、これほどのアキアカネの生態が確認できたのは初めて。羽化後とみられる成虫1匹も確認できました。4年目に入った「赤とんぼ米」づくりの成果が着実に表れているのではないかと関係者は期待を高めています。

 同協議会はJAと豊田市、みよし市、愛知県で構成されています。この日は消費者親子と同会関係者50人で各20アールの3区画のほ場で1時間、たもを使って生きものを捕獲しました。3区画全てのほ場でアキアカネのヤゴを確保し、確認できる度に歓声が上がっていました。成虫は確保こそ出来なかったものの稲を飛び渡る姿が写真で確認できました。アキアカネの他にもホウネンエビやシマゲンゴロウ、コオイムシなども確認されました。同会ではこれまで毎年、観察会を開催してきましたが、アキアカネヤゴの抜け殻の発見にとどまっていました。

 今回の生きもの観察の結果について豊田市矢作川研究所の浜崎健児研究員は「3カ所すべてのほ場でヤゴが確認できたのは農地の管理の成果が出ていると思われる。田んぼの生物全体が増えてきていて、これからの可能性が期待できる」と話しました。

 「赤とんぼ米」の栽培は農薬を生物に影響の少ないものに限定し、水管理ではアキアカネの羽化に合わせた作業をするほか、産卵の環境を作るため刈取り後の田んぼに再入水するなど手間と時間をかけます。今年はJAあいち豊田管内の中山間地の25戸の農家が併せて12ヘクタールの田んぼで栽培。52トンの生産を見込んでいます。

写真=「赤とんぼ米」ほ場で生き物を捕獲する参加者