JAあいち豊田と米の生消提携を行っている生活協同組合コープあいち(名古屋市名東区)は5月11日、豊田市松平志賀町の同JA松平営農センターで「田植え交流会」を開いた。
これは、同JAとコープあいちが毎年行っている「稲作体験」の一環として開いたもので松平地区での開催は初めて。今回の交流会は「里山の棚田での環境保全活動」をテーマに、子どもたちに地域の自然や、田んぼやその周辺の生き物を通じて食や農の大切さを理解してもらうことが目的だ。同会には名古屋市の消費者をはじめ、同JAやコープあいち職員など約30人が参加した。
この日は愛知県環境部自然環境課生態系ネットワークグループの前田善明課長補佐ら2人を講師に招き、同市鵜ヶ瀬町にある畔柳錠一さんの約10アールの棚田で手植えによる田植え体験をした。参加者らは同JA松平営農センターの宇野達也センター長から植え方の説明を聞いたあと田んぼに入り、「ミネアサヒ」の苗を約1時間かけて丁寧に植え付けた。同課の前田課長補佐は「自然豊かで生き物がたくさん生息している場所は少なくなってきている。今後どうしたらこのような環境が守れるのか、それぞれの立場になって考えるきっかけになれば」と話していた。参加者らはその後、同センターで「ミネアサヒ」や同JA女性部員が作った地元野菜の豚汁などを食べ交流を深めた。
同JAとコープあいちによる消費者の田植え・稲刈り体験は今年で25年目。近年では生物観察の機会を設け、消費者にお米をどんどん食べてもらうことで田んぼが維持され、それが生物多様性の環境を守ることにつながることを伝えていく活動も合わせて行っている。この地区では今後6月8日に生き物観察を開き、9月には稲刈りを予定している。