JAあいち豊田・豊田市・みよし市で組織する豊田・みよし環境保全型農業推進協議会は8月8日、豊田市松平志賀町にあるJA松平営農センターで「赤とんぼ米栽培グループ勉強会」を開きました。8月下旬から始まる稲刈り時期を前に作業の注意点を説明しました。
この日は、生産者9人と愛知県豊田加茂農林水産事務所農業改良普及課職員、JA職員ら合わせて22人が参加しました。担当者が、カメムシ類の対策や刈った稲の乾燥・籾すり作業の注意点などの今後の管理方法を説明しました。赤とんぼ「アキアカネ」の舞う田園風景を取り戻すため、アキアカネの産卵場所となるように稲刈り後は水たまりができる程度に入水することを生産者に伝えました。また、近年高温による等級低下が多く見られることから、今年から出荷規格の等級を1等と2等のみから3等も赤とんぼ米として出荷してよいこととしました。豊田・みよし環境保全型農業推進協議会の伊藤政和会長は「安全安心な米を出荷するまでしっかり管理を続けてほしい。今後も品質の良い米を出荷できるよう、勉強会の内容を身につけたい」と話しました。また、豊田・みよし環境保全型農業推進協議会の幹事長を務めるJAあいち豊田の長谷川陽一常務理事は「今年度も新規の赤とんぼ米友の会会員が増え、消費に対する理解も浸透している。赤とんぼ米の販売を待っている消費者も多いので、今年も期待している」と話しました。
今後は、9月20日に赤とんぼ米友の会の稲刈り体験、9月下旬ごろにほ場巡回、12月に同勉強会の開催を予定しています。
豊田・みよし環境保全型農業推進協議会は環境保全型農業を一般消費者に知ってもらうため、同協議会の取り組みに賛同する消費者「赤とんぼ米友の会」を運営。買い支えてもらうために田植え体験や生き物観察会、稲刈り体験を通して会員の理解促進を狙います。
赤とんぼ米は、赤とんぼの生態と環境に配慮して栽培する特別栽培米「ミネアサヒ」の愛称で、出荷を始めて今年で10年目となります。一般米との差別化を図るため、農薬の使用量は愛知県の慣行基準5割以下、化学肥料の窒素成分量も5割以下に減らし、手間をかけた安全・安心な米づくりで、国のみどり戦略に先駆けた取り組みでもあります。今年は、18戸の農家が約7.3ヘクタールで栽培し、約28.1トンの出荷を予定しています。
写真=今後の栽培管理を学ぶ生産者