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ナスの病害を同時に抑制/多段接ぎ木試験良好

2020.10.09

 JAあいち豊田なす部会は、ナス栽培で発生する半身いちょう病と青枯病を同時に抑制する有効な手段として期待できる多段接ぎ木の試験を今年から始めました。これまでは、病気の多発を防ぐため、土壌消毒と接ぎ木苗の定植、輪作で対策していたが、ここ数年は、半身いちょう病と青枯病の被害が拡大。一旦病気が発生すると減収となるため、対策としてそれぞれの病気に強い台木を中間に接ぎ木した多段接ぎ木で、効果を上げるのが狙いです。
 青枯病は、土壌の細菌が原因で植物が青々とした状態で枯れてしまう病気。いったん発生すると、細菌が土中に何年も残るため再発する可能性が高い。
 試験に使用するナスは、同JA管内で主力の筑陽。台木には葉の片側が黄色く変化し全体に広がり枯れてしまう半身いちょう病に強いトナシム、中間台木には青枯病に強い台太郎を接ぎ木したものを、同部会員の2カ所の畑で試験栽培しています。5月の定植後、月2回を目安に、従来の接ぎ木と多段接ぎ木の生育を比較するため、茎の太さや葉の大きさ、花や実の数などを調べています。
 9月30日は、愛知県豊田加茂農林水産事務所農業普及課職員と同JA営農指導員が試験畑の生育状況を調査しました。試験を担当する同JAの伴野洋明営農指導員は「多段接ぎ木した株は病気の発生が少なく、良い結果が出ています」と話していました。
 この試験結果は12月に開く部会の会議で説明する予定。今後も、同様の試験を継続して本格的な導入を目指していきます。

写真=ナスの生育状況を確認する指導員