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農家所得の向上につなげる研究/16チームが1年間の成果を発表

2021.03.11

 JAあいち豊田アグリアドバイザー協議会(AAC)は3月11日、豊田市四郷町のJA選果場で令和2年度AAC研究発表大会を開きました。今年で22回目となるこの大会は、営農部の職員が農家所得の向上につながる栽培技術や、農家の課題を解消する活動を発表するもの。16チームが参加し、1年間の研究成果を発表しました。
 この日は、各チームがプレゼンテーション資料を使い、持ち時間10分で取り組み内容を説明しました。テーマの面白さや、研究の完成度・持続性などを基準に、経済担当常務と営農部の部課長の合わせて7人が審査しました。
 発表は、パイプハウスの周年栽培で問題となる夏場の高温対策や、休耕田を活用するワラビ栽培、花木出荷の輸送費削減など多岐に渡りました。また、コロナ禍での農産物販売は、複数のチームが取り上げました。
 審査の結果、営農資材課が発表した「ビーフライを導入したイチゴ栽培 ~イチゴ交配におけるコスト低減と収量・品質向上について~」が最優秀賞を受賞しました。内容は、交配用ミツバチが年々値上がりする中、新たな花粉媒介昆虫として期待されるヒロズキンバエ(商品名:ビーフライ)の導入試験。奇形果の発生が大幅に減少した結果に加え、試験に協力した農家の声などをまとめました。発表した同課の村木恵輔さんは「ビーフライは将来性があると考え、テーマとして取り上げました。普及を進め農家所得の向上につなげたいです」と話していました。2位は園芸販売課の「コロナ禍での取り組み」、3位は猿投営農センターの「新販路開拓による農家所得の確保」、4位は旭営農センターの「コロナ禍における自然薯の販売促進」、5位は農産販売課と営農指導課の「水稲高温耐性品種「にじのきらめき」栽培試験および販売検証」がそれぞれ受賞しました。
 研究は、テーマの選定から試験方法の検討、結果の考察などを行います。情報共有のためJA役職員の前で発表し、今後の事業に活用します。今回は、新型コロナウイルスの感染防止のため発表者と審査員のみの参加でしたが、発表の様子は動画としてJA各事業所に配信する予定です。

写真=1年間の研究成果を発表する営農部職員