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全国でも希少「あさつゆ」を手摘みで抹茶に/豊田市の高香園

2021.05.06

 豊田市吉原町で茶を栽培・加工・販売する高香園の茶畑で、うま味・香り・味わいなど品質に優れ、天然玉露とも呼ばれる貴重な茶「あさつゆ」の摘み取りが最盛期を迎えました。自然仕立ての栽培と手摘みにこだわり、抹茶として同品種を販売するのは全国でも他に類を見ない珍しい取り組みです。
 創業から76年続く同園では、3代目園主の野場義尊さんが18アールで同品種の茶を栽培。他の品種に比べて霜に弱く、栽培管理が難しいことに加えて収穫量も少ないことから、全国的にも生産量が少なく希少な品種。煎茶としての販売が多い中、同園では丁寧に手摘みし、蒸して乾燥させ荒茶にしたのち、数種類の茶葉をブレンドして半年間低温で寝かせ、石臼で挽いて粉末状に加工し、抹茶として販売します。今年は10月から販売を始める予定です。
 5月2日から6日にかけて、50人ほどのお茶摘みさんが、枝の先に芽吹く新芽のみを選り分けて摘む、同地域の伝統的な手法「しごき摘み」で丁寧に摘採しました。野場さんは「栽培には手がかかるが『あさつゆ』をブレンドすることで一層香りがよく、うま味が凝縮した抹茶に仕上がります。抹茶としては大変珍しいのでぜひ味わってもらいたい」と話していました。また、茶の加工販売だけでなく、幅広い年代層に気軽に味わってもらいたいと、抹茶をふんだんに使った焼き菓子をオンラインストアなどでも販売しています。

写真=「あさつゆ」を丁寧に摘む、お茶摘みさん