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耕畜連携で地域を活性化/飼料用トウモロコシを裏作に

2021.05.12

 愛知県豊田市の農業生産法人株式会社「中甲」は、キャベツの裏作として飼料用トウモロコシの栽培が可能か検討するために、試験を始めました。トウモロコシの栽培に必要なたい肥を畜産農家から供給してもらい、畜産農家へ飼料を供給することで耕畜連携を図ることが目的。地元畜産農家の求めるトウモロコシを同社が提供し、互いに支え合っていきたい考えです。
 これまで同社では、稲発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ=WCS)を生産し、県内の畜産農家へ供給していましたが、より栄養価の高いトウモロコシを求める声が多く寄せられていました。畜産農家の多くは輸入品か、国産であれば北海道や東北地方から購入しているため、輸送コストがかかります。同地域内でトウモロコシを栽培し、供給することができれば双方にメリットがあると考え、3年前から栽培を始めています。
 畜産農家からの評判も良く、稲よりも収入が見込めることから、栽培拡大を検討。栽培面積を確保するため、今年から同社が栽培するキャベツの裏作として、4月に種をまき、7月に収穫できる品種を試験します。牛の嗜好性は高く、病虫害による被害を軽減させるための防除作業を行うことで、収穫量を確保していきます。今年は6.2ヘクタールで栽培し、190トンの収穫量を見込んでいます。
 同社の手嶋勝広取締役専務は「地域から土地を預かり農作物を栽培する農業法人として、地域のつながりを大切にし、地域農業の発展に貢献したい。畜産農家に優良な地域産飼料を提供することで互いに支え合うことが大切だと考えています。SDGs(持続可能な開発目標)を意識し、今後も取り組んでいきたいです」と話していました。

写真=飼料用トウモロコシの生長を確かめる同社の手嶋専務