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天敵でハダニ防除/農家所得の向上を目指す

2021.06.01

 JAあいち豊田は、ハダニの被害で悩む梨農家を対象にイチゴの施設栽培などで使うバンカーシートの導入試験をしています。バンカーシートは設置が簡単で、ハダニの天敵であるミヤコカブリダニを畑に長期間定着させることができるため、農薬を減らし環境に配慮した農業と労力軽減の両立が期待できます。被害を最小限にとどめ、収量や品質を確保することで農家所得の向上を図ります。
 今年はハダニの被害に悩む水野龍雄さんが、みよし市莇生町にある20㌃の梨畑に5月28日から同市の梨農家で初めてバンカーシートの設置を始めました。ハダニは梅雨明け後の気温が高くなる時期に大量発生しやすいため、梅雨明け前に設置し、早期対処を目指します。この日は、愛知県豊田加茂農林水産事務所農業改良普及課、メーカー、JAあいち経済連やJA担当者らが協力してバンカーシートを設置。今後も定期的に畑を訪ねて検証を続けます。水野さんは「ハダニの被害が多く悩んでいました。今後もいい梨を栽培していけるよう少しでも効果が出ればうれしい」と話していました。
 ハダニの被害は、葉に被害を受けると白い斑点ができ、全体的に葉を傷つけ果実の生育に影響を及ぼします。同じような農薬を使い続けると、ハダニは抵抗性を持ち始めて効果は徐々に弱くなり防除が難しくなります。JAでは5年前からハダニの天敵を保護・定着させるバンカーシートを使い、ハダニ被害を軽減させる取り組みを行っています。

写真=バンカーシートを設置する農家ら