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新たな特産品で地域を活性化/小玉メロン試験栽培

2021.06.07

 豊田市武節町にある道の駅「どんぐりの里いなぶ」のリニューアルオープンに合わせ、同駅がある同市稲武地域の農家が地域の新たな特産品として小玉メロンの試験栽培をしています。より魅力的な直売所になるよう、地域性を活かしたこれまでにない農産物の販売を目指しています。同駅は、県内外から年間約40万人もの来訪者が立ち寄る人気スポット。地元農産物で地域を盛り上げようと、加工品も視野に目玉商品を作りたい考えです。
 子どもからお年寄りまで幅広い世代に人気のメロン。同地域は県の北東端に位置し、標高は中心部で500㍍。周囲は高い山々に囲まれ同市の平均気温と比較しても3度ほど低いため、平地ではお盆前に出荷が終わることが多いメロンも、お盆時期に出荷が可能でお供え物としても需要が見込めます。また、同地域には育苗ハウスを持つ農家が多いことから、ハウスの空きを利用することもでき、農家所得の向上にもつながります。さらに、生産者の高齢化が進んでいることから、袋を使う手軽なバッグ栽培が可能で、管理や出荷がしやすく、加工にも向く小玉品種としました。
 品種の検討を重ね、今年は同地域にあるファームいなぶ営農組合が約4㌃のハウスで小玉メロン「メロリーナ」の試験栽培を実施。本格的な栽培に向けて、経過を観察しながら7月後半に収穫を迎えます。収穫した小玉メロンは、直売所に並ぶほか、アイスクリームやスイーツなどの加工品として売り出す予定です。同組合の西尾昌直さんは「中山間地の環境を活かした農産物で、地域を盛り上げることができればうれしい」と話していました。

写真=小玉メロンの生育を確認する西尾さん