ニューストピックス

ワラビ栽培普及へ向け遊休農地で試験/JAあいち豊田小原営農センター

2021.06.28

 JAあいち豊田小原営農センターは、中山間地域の新たな栽培品目としてワラビに注目し、遊休農地で試験栽培をしています。今年で3年目を迎え、6月22日には春からポットで育てた苗の定植作業を営農センター職員が行いました。ワラビ栽培が中山間地のさまざまな課題を解決できる品目として期待しています。
 ワラビは、イノシシなど野生動物の食害がなく、山林近くでも栽培が可能な農作物。栽培管理も容易で軽量なため高齢者でも収穫・出荷がしやすいことに加え、山菜需要が高まる中、消費者からのニーズも高いことから利点が多い品目です。ゆくゆくは山菜ミックスやおこわご飯の素など、加工品用として出荷も視野に入れています。
 1度根付けば30年間収穫が見込めるといわれているワラビ。ポットで根を育てた苗は3年で収穫可能になりますが、地植えして育てた苗は収穫まで6年かかってしまうため、根を作る作業が重要です。ポットで丈夫な根を作る技術を確立し栽培普及を目指します。3年前はワラビの地下茎を遊休農地に植え、育苗する方法を模索し、昨年はほ場から地下茎を掘り出しポットで育てる際の掘り出しの時期を見極めました。今年は定植後の水やりや温度、日照時間など栽培管理を主に試験します。
 藤岡・小原営農エリアの和田隆幸エリア長は「育苗することで、雑草に負けない株にし、確実に収穫できる栽培を目指しています。今はまだ模索中ですが、農家に提案できるよう試験を続けていきたい」と話していました。

写真=ポットで育苗したワラビを定植する同JA職員