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産直配送便で販路拡大/中山間地域の農業持続化を目指す

2021.07.14

 JAあいち豊田は中山間地の地域農業振興を図るため、豊田市下山地区と同市中心部及び、みよし市を結ぶ産直配送便を8月から始める予定です。販路を拡大することで、農家所得の向上と中山間地の農業の持続化を目指します。7月14日は、同市大沼町にある下山基幹集落センターで説明会を開き、同地区の農家15人が参加しました。
 産直配送便は、遠方の直売所へ野菜の出荷が困難な中山間地の農家を支援する取り組み。JAが集荷トラックを手配し、JA管内にある6つのグリーンセンターや産直プラザへ、売り場の出荷状況を考慮したうえで同地区の農産物を配送します。
 同市の中心部よりも標高が高く平均気温も低い同地区の農作物は、収穫時期や栽培品目に差があります。そのため、平坦地の農産物直売所では長期間にわたり地元農産物を店頭に並べることができます。また、同地区の農産物は「高原野菜」とも呼ばれ人気があり、平野部では手に入りにくいワラビやコシアブラ、ウドといった需要のある山菜も豊富。小菊など花きの生産もあり、JA管内産直施設の売り場充実を図ることができるほか、農家所得の向上も期待できます。
 同地区では高齢化や過疎化が進み、地区内の直売所への出荷が集中。今後、地元産直施設が減少し出荷先がなくなったとしても、出荷先を確保しておくことで確実な所得を得ることができるよう今回の産直配送便の運用を整備しました。JA営農販売課鈴木直幸課長補佐は「中山間地域の農業を持続し、農家所得を向上させることができるよう販売経路を確保していきたい」と話していました。


写真=下山地区で開いた産直配送便の説明会