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カメムシ被害の減少を目指し/ドローンによる防除

2021.08.04

 JAあいち豊田は、米の品質低下や収量減少の原因となるカメムシ防除に力を入れています。近年、JA管内の多くの水田でカメムシによる不稔籾や斑点米の被害が増加。農家の所得に影響がでていることからドローンを使った防除の導入を進めています。
 現在、農家から防除作業を請け負うJA受託部会とJAが分担してカメムシの防除作業を実施。JAでは無人ラジコンヘリを使った農薬散布を実施しています。しかし、平坦地では住宅街に近いほ場もあるため、周囲への影響や騒音が懸念されて、中山間地では電線や獣害防止のための電気柵が多く、隅々までしっかりと散布しきれていなかったことが課題となっていました。
 この課題を解決するため、JAでは産業用マルチローター(ドローン)による作業受委託の導入を検討。7月26日に豊田市の足助町にある2ヘクタールの水田でドローンによる防除実演会を開き、JA営農職員や業者ら34人が参加しました。業者が薬剤の積載量や散布能力、飛行高度や安全性などを説明し、10リットル散布機と16リットル散布機の2機種で実演しました。
 JA営農資材課の乗松仁一課長は「無人ラジコンヘリ防除では、まだまだ課題があります。ドローンでの防除なら多様なほ場条件にも対応でき、防除効果を上げることが期待でき、カメムシによる米の斑点米被害を減らし、農家の所得向上につなげられると思います。近隣住民、農家に対し配慮できる防除方法を模索していきたい」と話していました。今後は、実演の結果を踏まえ、カメムシ防除を実施する面積拡大を検討していく予定です。

写真=ドローンの農薬散布を足助地区で実演