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産直配送便で販路拡大/魅力のある直売所を目指す

2021.08.05

 JAあいち豊田は中山間地の農業振興を図るため、中山間地と市街地のJA直売所を結び、農産物を流通させる産直配送便を8月5日から始めました。販路を拡大することで、農家所得の向上と中山間地の農業の持続化、魅力ある直売所を目指します。
 初回となったこの日は、豊田市下山地区の農家8戸が参加。デラウェアやシイタケ、ホオズキなど35ケースをJAの集荷トラックに載せ、農産物はJA管内にある六つのグリーンセンターや産直プラザの売り場の出荷状況を考慮したうえで、農産物が届けられました。農家の1人は「平たん地まで農産物を持っていくのは大変でした。集荷し販売してもらうことで販路も広がるうえ、地域の多くの人に地元農産物を手にとってもらえる機会が増えてうれしい」と話していました。
 JAの産直施設の売り場の多くは平たん地にあり、6~8月にかけて産直会員が出す農産物が豊富に陳列棚に並び、仕入れは2割ほどで、主要農産物のほとんどを地元産でそろえられます。しかし、それ以外の月は仕入れに頼っていることが多く、課題となっていました。そこで、同市の中心部よりも標高が高く平均気温も低い同地区の農作物の収穫時期や栽培品目に差があることに着目。平たん地の農産物直売所で販売を行うことで、長期間にわたり地元農産物を店頭に並べることができるのではないかと考え、産直配送便を立ち上げました。販売機会を増やすことで農家所得の向上も期待できます。
 JAは豊田市下山地区の農家を対象に7月に説明会を開催し、15人の農家が産直配送便への参加を決めました。JA営農販売課鈴木直幸課長補佐は「中山間地域の農業を持続し、農家所得を向上させることができるよう販売経路を確保していくとともに、地元産での売り場充実を図っていきたい」と話していました。 

写真=農産物を集荷トラックに載せる同JA職員ら