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新たなハダニ対策への提案を/農家所得の向上を目指し天敵で防除

2021.09.15

 JAあいち豊田は、ハダニの被害で悩む梨農家を対象にイチゴの施設栽培などで使うバンカーシートの導入を検討し試験しています。試験結果をもとにハダニ被害に悩む農家へ1つの対策案として提案していく予定です。今年はJA管内の2人の梨農家が設置しました。ハダニによる被害を最小限にとどめ、収量や品質を確保することで農家所得の向上を図ります。
 JAでは5年前からこの試験を開始。今年の2人を含む3人の梨畑で、ハダニの天敵を保護・定着させるバンカーシートを使い、梨のハダニ被害を軽減させる取り組みを行っています。バンカーシートは設置が簡単で、ハダニの天敵であるミヤコカブリダニを畑に長期間定着させることができ、農薬を減らし環境に配慮した農業と労力軽減の両立が期待されます。
 9月15日は、メーカーやJA担当者ら6人が、豊田市亀首町の梅村長史さんの畑で6月11日から設置したバンカーシートの効果を確認しました。ミヤコカブリダニの数やハダニの有無を確認し、機能しているか効果を見極めました。梅村さんは「ハダニの被害で木が弱くなってしまう。栽培を継続していくためには、樹勢のある健康な木を育てていくことが必要なため、被害を少しでも減らすことができればうれしい」と話していました。設置は9月末まで行う予定です。
 ハダニは気温が高くなる時期に大量発生しやすく、葉に被害を受けると白い斑点ができ、全体的に葉を傷つけ生育に影響を及ぼします。一般的には農薬散布指導していますが、同じような農薬を使い続けると、ハダニは抵抗性を持ち始めて効果は徐々に弱くなり防除が難しいことから、バンカーシートを新たな提案の1つとして検討していきます。

写真=ハダニの有無を確認するJA職員