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ブランド力と産地を守る/猿投のハクサイ品種選定審査会

2021.11.08

 JAあいち豊田猿投白菜部会は、近年の気象変動に対応するため部会員のほ場で新しく導入する品種の試験を行っています。期間全般を通して高品質なハクサイを出荷して安定した収入を見込み、農家所得の向上と産地を守ことが目的。11月8日には野菜優良品種選定拠点調査ほ事業「JAあいち豊田猿投選果場:はくさい(10下~11中収穫)」審査会を開き、審査結果を参考に早生の推奨品種を検討する予定です。
 部会では早生品種の「晴黄65」をはじめとして「黄ごころ85」を中心に、品種分けして作期分散しながら11月上旬からハクサイを出荷しています。しかし、近年のように夏から秋にかけて異常気象が続くと早生品種は出荷量・品質に大きな影響がでてしまいます。そのため、8~10月の気温上昇下でも結球や肥大性、耐久性に優れ、玉ぞろいがよく、球姿と食味が良く黄芯が鮮やかな品種の導入を検討しました。
 試験栽培は、「晴黄65」を含む7品種。この日は、同部会員やJA職員、市場関係者、種苗業者ら30人が参加し、豊田市上原町の試験ほ場で実際の栽培状況を確認した後、収穫したハクサイの球姿や断面をしっかりと見定めました。審査の結果、今年度の生育状況からは、球の形状や胴張りがよい、既存の「晴黄65」が最も優れた評価を得ました。JA営農指導課の宇野達也課長は「猿投のハクサイのブランド力を継続し、農家が安定した収入が見込めるよう、今回の審査結果を参考にしっかりと検討していきたい」と話していました。
 同部会は13戸の農家が所属。合わせて約10.1ヘクタールのほ場で栽培。栽培履歴の記帳やJAあいち版GAP【食品安全】に取り組み、安全・安心な農産物の栽培に力を入れています。猿投のハクサイは味や品質が良く、市場で高い評価を得ています。今年は10月27日から出荷を始め、1月中旬ごろまでに約690トンを出荷する見込みです。

写真=試験ほ場を視察する関係者ら