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中山間地と平たん地を結ぶ産直配送便/農家や店舗利用者に高評価

2021.11.26

 JAあいち豊田は中山間地の農業振興を図るため、中山間地と市街地のある平たん地のJA産直施設を結び、農産物を流通させる産直配送便を運行しています。豊田市足助、小原、旭、藤岡地区では年間約150人の産直農家が利用し、約2500万円売り上げていますが、さらなる地域農業の発展を目指し今年6月から同市稲武地区で、8月から同市下山地区で配送便を始めました。11月時点で両地区合わせて産直農家25人が利用し、約500万円を売り上げ、農家所得の向上と中山間地の農業の持続化に少しずつ成果が出ています。
 同市の総面積は県内で1位。平たん地から中山間地までは車で約1時間かかります。地域によっては2時間以上かかるところもあり、農産物を店舗まで配送する時間を農作業にあてることで、質の良い農産物の提供が可能になります。また、各地区から朝集荷した農産物が各産直施設に陳列されるのは正午ごろになるため、朝のオープン時は利用できない正午以降の店舗利用者にも充実した品ぞろえで買い物を楽しんでもらえます。消費者の1人は「お昼以降の買い物でも野菜が充実していてうれしい」と話していました。そのほか、標高が高く平均気温も低い同地区の農作物は、収穫時期や栽培品目に差があることから、平たん地で販売を行うことで、長期間にわたり地元農産物を店頭に並べることができるという店舗側のメリットもあります。各地区で集荷した農産物はJA管内にあるグリーンセンターや産直プラザの売り場の出荷状況を考慮したうえで、農産物が届けられます。
 JA営農販売課鈴木直幸課長補佐は「中山間地域の農業を持続し、農家所得を向上させることができるよう販売経路の確保と地元産での売り場充実を図ることが課題でした。農家にも店舗利用者にも喜んでもらえています。今後も継続していきたい」と話していました。 

写真=産直配送便で豊田市藤岡地区から届いた農産物を店舗で降ろすJA職員