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農家と小学生がミカンでつながる37年/2世代続く食の輪

2021.12.15

 JAあいち豊田管内の豊田市田町にある小清水小学校は、和歌山県田辺市のJA紀南青年部とミカンを通じた交流を続けて今年で37年目になります。豊田市公設地方卸売市場にミカンを出荷するJA紀南が「未来の消費者に紀南ミカンを覚えてもらおう」と、1985年に市場がある同市高崎町を校区に持つ同校に訪問したのが交流のきっかけです。毎年、同青年部からミカンが贈られ、長年の交流から親子2代で味わった人も多く、同校の児童や卒業生らは「和歌山のミカンと言えば紀南」と口をそろえます。
 今年贈られた特産の温州ミカンは2LからSSサイズまでの125ケース(約13200個)。12月7日に愛知中央青果株式会社を通じて届けられ、約850人いる児童全員に1人10個以上のミカンが配られました。合わせて、「みかん交流のあゆみ」が書かれた資料を手渡し、交流が始まった経緯やミカンや梅の木が贈られ植樹されたこと、交流会を行ったことなどを振り返って学びました。ミカンを手にした1年生の児童は「ミカンが大好きなのでもらえてうれしい。おうちに帰って家族で食べるのが楽しみ」と笑顔で話していました。同校の阿知波早百合校長は「毎年ミカンを贈っていただき大変感謝しています。校内にミカンの木もあり、育っていく様子を見ているので食育にもなっています」と話していました。
 新型コロナウイルス感染拡大前は、同校の児童が田辺市を訪れてミカン狩りを体験したり、同青年部員と田辺市の上秋津小学校の児童が同校に来校しミカンのPRをするなど盛んに交流していました。交流が始まった当時にJA紀南青年部を担当していた全国農業協同組合中央会の中家徹会長は「私が青年部の事務局をしているとき、未来の消費者を育てようと全国3ヶ所の小学校への訪問を始めました。今も続いているのは小清水小学校だけで大変嬉しく、感慨深いです。関係者に感謝し、これからも未来永劫交流が続くことを願っています」と話しています。

写真=贈られたミカンを笑顔で手にする児童ら