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バンカーシートで梨栽培の労力軽減/天敵でハダニ防除

2022.06.02

 JAあいち豊田は、ハダニの被害で悩む梨農家を対象にイチゴの施設栽培などで使うバンカーシートの導入を検討し、試験しています。バンカーシートは設置が簡単で、ハダニの天敵であるミヤコカブリダニを畑に長期間定着できるため、農薬を減らし環境に配慮した農業と労力軽減の両立が期待されます。被害を最小限にとどめ、収量や品質を確保することで農家所得の向上を図ります。
 今年は、みよし市の梨農家4カ所で試験します。6月2日は、同市三好町にある野々山奉文さんの25アールの梨畑に、バンカーシートの設置を始めて、労力軽減を目指します。バンカーシートは設置後10日ほどでミヤコカブリダニが出始め、1カ月後にピークを迎え、4カ月ほど効果が続きます。ハダニは梅雨明け後の気温が高くなる時期に大量発生しやすいため、梅雨前のこの時期に設置し、早期対処を目指したい考えです。この日は、JA営農指導員や愛知県豊田加茂農林水産事務所農業改良普及課やメーカー、JAあいち経済連らが協力してバンカーシートを設置。今後は、2週間ごとにハダニの発生や数の増減などを調査します。野々山さんは「今までハダニの防除時期は摘果や誘引作業があり大変でした。バンカーシートの設置でほかの作業に集中できるとありがたい」と話していました。
 ハダニの被害は、葉に白い斑点ができ、全体的に葉を傷つけ果実の生育に影響を及ぼします。また、ハダニは同じ農薬を使い続けると、抵抗性を持ち始めるため、農薬の効果は徐々に弱くなり防除が難しくなります。JAでは6年前からハダニの天敵を保護・定着させるバンカーシートを活用して、ハダニ被害を軽減させる取り組みを行っています。

写真=木1つ1つにバンカーシートを設置する職員