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全国で初の試み 自律巡回ドローンで果樹防犯の実証試験

2022.10.24

  JAあいち豊田は10月24日、豊田市猿投地区の梨農家と協力して、自律巡回ドローンを使った果実の盗難対策の実証試験を実施しました。自律巡回ドローンを使った盗難対策の試験は、全国で初の試みです。
 果樹園の盗難被害が深刻化しているJA梨部会からの強い要望で、今回の実証試験に至りました。ドローンを活用した対策で、盗難被害防止につなげることが目的で、今回使用したのは、名古屋市にあるサイポート株式会社が試作する自律巡回ドローンシステム。拠点となるドローン専用の離発着基地は、同市深田町の株式会社フカデンが手掛けています。拠点を設置することで、自動充電、自律巡回が可能な無人航空機システムで、上空から不審者への監視を行うことができます。
 今回の実証試験では、豊田市舞木町の加藤吉裕さんが栽培する梨「愛宕」のほ場で、ドローンが拠点(基地局)に自動で戻るかを検証しました。加藤さんは、「丹精込めて育てた収穫前の梨の盗難は、農家にとって非常に深刻な問題です。終日監視で盗難防止できるものを期待しています」と話していました。
 JAは、看板やカメラの設置、警察の巡回と合わせて、ドローン技術を果樹の盗難被害防止対策の一つとして活用していきたい考えです。今後は、ドローンの機体重量の軽量化、自律巡回や離着陸の正確さ、バッテリーの消耗などの課題を解決し、同システムの2022年度中の実用を目指して調整していきます。

 

写真=拠点から自動で飛び立つドローン