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脱炭素に向けて農業に工場排熱と排CO2を活用  JAあいち豊田とトヨタ自動車が豊田市と連携

2023.03.01

 とよたSDGsのパートナーであるJAあいち豊田とトヨタ自動車株式会社は豊田市と連携し、脱炭素社会の実現に向けた工場資源の活用実証を始めています。これは、工場立地の多い同市で再利用が期待される工場からの廃熱や排CO2を農業に活用することにより、持続可能な地域農業を実現することが目的です。農作物栽培による技術実証を行い、工場廃熱等を地域資源の一つとして農業分野での活用の可能性を探っていきます。
 3月1日は、実証事業でイチゴを栽培している同市大成町にある同社上郷工場で説明会と現地見学会を開き、事業関係者など合わせて23人が参加しました。農業、工業分野が抱える課題や今後の方針、連携内容や役割などについて同JA石川尚人代表理事組合長、同社先進技術開発カンパニープレジデント井上博文氏、同市太田稔彦市長が、それぞれ説明しました。同工場では、2つの栽培ハウスで工場の廃熱、排CO2を活用してイチゴを数品種栽培。昨年4月に定植し、夏に収穫を迎え、秋に2回目の定植をしました。イチゴの生育に適した温度・湿度・CO2の量などをデータ化し、今後、周年収穫できる環境データなどを収得します。実用化すれば、パイプラインを整備して工場の廃熱をほ場に運んだり、CO2をボンベに詰めて供給するなど、工場資源が農業分野で広く活用され、燃料費の削減などが期待されます。同JA石川組合長は「農業で必要なエネルギーの地産地消が農家の所得の向上につながり、次世代の新規就農者の確保にもつながる。事業が成功するための協力は惜しまない」と意気込みを話しました。
 今後は、同JAが農業に関する知見などを提供し、同社が実証事業を継続して実施。同市が同事業に関する情報を市民や市内の企業に発信していきます。同社は農業分野に本格参入する予定はないですが、3団体が協力して農家を支援していきます。

 

 

 

写真=左から石川組合長、太田市長、井上氏