豊田市南部の福受地区でミツバチを使った梨の受粉作業が4月1日から始まりました。梨園に巣箱を設置し、約2,000本(7.5ヘクタール)のうち約8割を受粉させました。同地区で梨を栽培するJAあいち豊田梨部会の部会員らは、毎年この時期にミツバチを利用した受粉作業を40年以上前から続けています。ミツバチの活用は労力軽減につながり、その間に摘花など別の作業を行える利点があります。今年は暖かい日が続いたこともあり、昨年より1週間早い作業開始となりました。
花がほぼ満開の4日には、主力の梨「幸水」や「豊水」を中心に、ミツバチが花から花へと花粉を運びながら受粉作業をしました。梨は異なった品種で受粉する性質があり、同市の養蜂家からミツバチの巣箱21箱(1箱1~2万匹)を借り受け、福受地区全体の受粉作業をまかなっています。同作業は花の状態を確認しながら、10日から2週間ほど続く予定です。同部会監事の須田隆則さん(68)は「梨の栽培は順調に進んでいます。今年もおいしい梨を消費者に届けたい」と話していました。
同JA梨部会は、同市の猿投・福受地区の42戸の農家が、合わせて25.3ヘクタールで梨を栽培。昨年の出荷量は430トンで、今年は450トンを目標としています。7月20日ごろから「愛甘水」「あけみず」の収穫が始まり、8月上旬の主力品種である「幸水」、11月のジャンボ梨「愛宕」まで8品種を順次出荷する予定です。
写真=受粉作業をするミツバチ