JAあいち豊田いちじく部会は、生産性向上のため昨年から連作障害である「いや地」対策として台木利用に取り組んでいます。台木と穂木をつなげる接ぎ木が上手くいかないという部会員が多く、より詳しい指導を希望する声が上がったことから、実際にほ場を巡回し実演することで部会員の技術習得を目指します。
5月21日は豊田地区の希望した部会員を対象に4カ所巡回しました。JAの斎藤哲男専門技術員が、昨年に定植した樹勢が良いイチジク「イスキアブラック」の台木に「サマーレッド」の穂木を接ぎ木するやり方を指導。接ぎ木は、穂木の保存方法やしっかり接着させるための穂木のそぎ方、大敵である乾燥を防ぐためにテープで巻いた後に溶かした蠟(ろう)をかけることなどのポイントを実践しながら詳しく説明しました。斎藤専門技術員は「接ぎ木に失敗する原因はいくつか考えられる。この講習でしっかり自分のものにしてほしい」と話しました。この巡回は上郷・高岡・猿投地区でも行いました。今後は、病害虫防除方法など今後の栽培管理を学ぶ栽培研修会を開き、ほ場巡回を経て8月には出荷を始める予定です。
JAいちじく部会は、36人が合わせて約5.4ヘクタールでイチジク「桝井ドーフィン」「サマーレッド」を栽培しています。昨年は名古屋市場などに約61トンを出荷し、今年も同量の出荷を目指します。
写真=熱心に接ぎ木作業を学ぶ部会員