愛知県有数の桃・梨産地である豊田市猿投地区では、地域ぐるみで果樹の盗難対策に取り組んでいます。桃の収穫をまもなく迎える6月13日には、桃の盗難対策として防犯カメラを5カ所に設置しました。果樹農家やJAあいち豊田、地元警察・消防署などで組織する「猿投地区果樹保護プロジェクト」が果樹園の巡回や盗難対策の看板を設置するなど、盗難被害ゼロを目標に活動しています。
豊田市猿投地区では収穫時期を狙った果樹の盗難被害が毎年発生しています。「防犯カメラ導入前の2023年の桃の盗難被害は7件だったが、導入した昨年の被害は1件だったため、着実に対策の成果が表れている」と果樹農家は話します。20年以上前から農家を中心に見回り活動をしてきましたが、被害が収まらないため、2023年10月に猿投地区果樹保護プロジェクトを立ち上げました。プロジェクトには、JA、JA桃部会・梨部会、豊田警察署、地元農家、豊田市役所、豊田市北消防署の7団体が所属。連携して定期的に巡回します。事務局はJA猿投営農センターが務め、被害状況を関係者と共有します。
防犯カメラは道路に面した果樹園に設置し、不審な車両などを監視します。今年からはソーラー電池に加え電池も活用し、今後は、不審に感じたときにすぐに果樹園へ声をかけられるようスピーカーの導入についても検討しています。プロジェクトの会長を務める磯村嘉美さんは「犯人には、逆の立場で自分のものが盗まれたらどう思うか考えてみてほしい。盗難被害ゼロに向け、今後も検証と実装を進めていきたい」と話します。梨の出荷が本格化する7月には、梨畑にも同様の防犯カメラを5カ所に設置する予定です。
写真=防犯カメラを設置するプロジェクトメンバー