JAあいち豊田桃部会が今年の初出荷する黄桃2箱(1箱5キログラム入り)が7月22日、豊田市高崎町にある豊田市公設地方卸売市場で合計30万円の高値で取引されました。JA桃部会は全品種あわせて約410トンの桃を出荷しますが、この時期に出荷する黄桃は約45トンで全体の10パーセントと希少。通常は5キログラム入りを約6000円で販売していますが、今回は約25倍の価格になりました。
今回取引された黄桃は、糖度も高く、柔らかい食感と酸味の少なさ、果汁の多さが特徴。流通量は少ないが、おいしい桃として引き合いは多い。豊田森林組合に依頼した地元の木材を使った特注化粧箱に、豊田市小原地区特産の和紙を敷き詰めて出荷しました。競り落とした有限会社マルシン青果の横山稔課長は「この黄桃は愛知県で1番おいしい桃。地元飲食店やスーパーに出荷する。多くの地元の方に食べてほしい」と話しました。
JAは、部会とともに桃のブランド化を進めてきました。さまざまな取り組みを通じて、ここ数年は高値を維持していますが、出荷終盤にあたる8月盆後の黄桃品種が、白鳳系・白桃系と比べると若干販売に苦戦しています。また、昨今の資材費高騰や異常気象、果樹の盗難など、部会員は厳しい栽培を強いられている中、今回の高値取引を契機に黄桃品種のPRと盆後の品種の単価底上げによる農家所得向上を目指します。JAグリーンセンターや選果場直売所でも黄桃を販売します。
競り落とした黄桃の一部は、豊田市内にある地元飲食店でパフェとして数量限定で販売される予定です。
写真=黄桃を競り落とした(有)マルシン青果(左)