JAあいち豊田いちご部会に所属し、豊田市汐見町でイチゴのビニールハウス栽培をしている永田岳志さんは9月25日、自身のビニールハウスへドローンを使った遮熱剤散布を行いました。通常人の手が届かない天井部には塗りにムラができてしまうことが多いですが、ドローンの活用でムラのない塗布が期待でき、作物の高温障害や農家の暑さ対策に繋げることができます。ドローンの操縦は京都府に本社を置く株式会社ラッキーリバーが行いました。
永田さんは、きっかけは7月に愛知県国際展示場に出展していた同社社員と話した際に前記の農業上のメリットに加え、京都府では高温対策の補助金が出ることを知りました。愛知県および豊田市では同様の補助金が無いため、まだ普及が少ないドローンで注目を集めることで、近隣農家を代表して行政に補助金新設を訴えたい思いから、今回初めてドローンを活用しました。
この日は、同社の従業員のほか愛知県豊田加茂農業改良普及課や豊田市農政企画課、JA豊田営農センターの職員らが参加しました。同社の担当者が薬剤散布用に改良した農業用ドローンを使って、7棟のビニールハウスの天井部に遮熱剤をまきました。永田さんは「毎年深刻化する猛暑に対して、農家が強いられている高温対策を行政に知ってほしい。高温対策で大きなリスクの高温障害は回避できるが、まれに日光不足の症状がみられることもあり、農家は常にリスクと戦っている」と訴えました。暑さが落ち着いていくこの時期に実施した経緯として「次年度の補助金新設の検討材料にしてもらうため。実際に費用がどのくらい年間で発生するのかを伝えたい」と話す永田さんは、来年の春にも同様の高温対策を予定し、農家が直面する実態を訴えていきます。
写真=遮熱剤を散布するドローン